獣医療コラム

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アイコンタクトの重要性|愛犬との絆を深めるアイコンタクトの教え方

愛犬との生活において、しつけは共に快適な生活を送るための重要なコミュニケーションの一形態です。特に、アイコンタクト(目と目の合図)は飼い主様と愛犬との信頼関係の基盤を築く上で、とても大きな役割を果たします。もちろん、それ以外にも沢山のメリットがあります。

今回はアイコンタクトについて、その重要性や覚えさせるポイントについて紹介します。

アイコンタクトとは?
アイコンタクトは、飼い主様と愛犬がお互いの目を見つめ合うことによるコミュニケーションです。

アイコンタクトはただ目を合わせるだけではなく、愛犬が飼い主様の指示や要求に対して適切に反応するための基本的なスキルとして非常に重要であり、訓練や日常生活の中でのコミュニケーションを円滑にするための基盤となります。

アイコンタクトの重要性
アイコンタクトは、飼い主様と愛犬との間での深い絆を築き上げる上で欠かせない要素です。犬と人間とで目と目を合わせる行為は、相互理解と信頼の構築に寄与し、愛情や信頼感を高めるオキシトシンの分泌を促します。これにより、愛犬と飼い主様の信頼関係はより強固なものになります。

また、アイコンタクトは愛犬の行動管理やしつけにおいても重要な役割を果たします。愛犬が飼い主様の目を見て指示を待つことを学ぶことで指示に対する注意力が向上し、よりすばやく反応させることが可能になります。このようにしてアイコンタクトをコミュニケーションの基本のスタイルとすることで、愛犬は飼い主様の指示に集中しやすくなり、屋外など周囲からの刺激が多い環境においても注意散漫や誤解を減らすことができます。

さらに、アイコンタクトは愛犬が外出先や他の犬や人と接する際の問題行動を減少させるのにも役立ちます。飼い主様が愛犬の名前を呼んでアイコンタクトを取ることで、愛犬の注意を引き戻し、不適切な行動を事前に防ぐことができるのです。

このように、アイコンタクトは飼い主様と愛犬との関係を深めるだけでなく、愛犬の訓練や行動管理にも欠かせない重要なコミュニケーション手段となります。

アイコンタクトの注意点
アイコンタクトは、飼い主様と愛犬との信頼と理解を深めるために非常に有効なコミュニケーションツールですが、知らない犬や初対面の犬に対してアイコンタクトを行う場合には注意が必要です。
犬の世界では、直接的な目の合図は時として挑戦的な行為や敵意の表れと解釈されることがあります。そのため、見知らぬ犬に対して積極的にアイコンタクトを試みると、その犬を不安にさせたり、攻撃的な態度を引き出したりする原因となり得ます。

また、アイコンタクトを教える過程においても、愛犬に過度のストレスを与えないように心掛ける必要があります。アイコンタクトを無理強いすることなく、愛犬がリラックスして自然に目を合わせられるような環境を整えることが、効果的なコミュニケーションの基盤を築く上での鍵となります。

アイコンタクトを覚えさせるポイントは?
愛犬にアイコンタクトを教える際は、以下のポイントが有効です。

1、目が合ったら褒める
愛犬の名前を呼んで目が合ったら、たくさん褒めてあげましょう。このプロセスを繰り返すことで、愛犬は飼い主様と目を合わせることが褒めてもらえることに繋がると学びます。
その際、犬を長時間覗き込む行為は、犬を不快にさせることがあるため、目が合ったら即座に褒めることがポイントです。

2、おやつを使ったトレーニング
最初はおやつを使って愛犬の注意を引きつけると良いでしょう。飼い主様の顔の近くにおやつを持って愛犬の名前を呼び、視線がおやつではなく自分の目と合ったらすぐにおやつを与えて褒めます。

3、ハンドサインも併用
言葉だけの指示よりも、ハンドサインと組み合わせることで、犬は指示の内容をより正確に、そして素早く理解することができます。
例えば、名前を呼ぶのと同時に、指さしや手のひらを見せるなどのハンドサインを組み合わせることで、愛犬の注意をグッと引きつけやすくなります。

言葉は周りの音にかき消されてしまうこともありますが、視覚的なハンドサインは、どんな環境でもはっきりと伝わります。また、ハンドサインは、距離が離れていても、高齢や聴覚に問題がある犬でも、コミュニケーションをスムーズにすることができます。

4、おやつなしでの練習
愛犬がアイコンタクトの基本を覚えたら、徐々におやつを使わずにトレーニングを行います。おやつを使ったアイコンタクトの号令への反応が5回中4回以上できるようになったらステップアップしましょう。まず飼い主様の指を愛犬の顔の前に出して、その指を目で追うことで愛犬の視線を飼い主様の顔に向けさせます。名前を呼び、自分の目と合ったら褒めます。飼い主様の顔を見てアイコンタクトを取るだけで褒められることを理解させることが目標です。
おやつをまったくあげないことが連続するとだんだんと従わなくなってしまうことがあります。号令に従ってアイコンタクトできたとき、2回に1回はおやつのごほうびを与えましょう。犬の集中力や反応の素早さに合わせて徐々におやつを与える頻度を下げていくことができます。

4、短いセッションを繰り返す
トレーニングは短くて頻繁なセッションで行うと効果的です。愛犬の集中力が途切れないように、数分間の練習を日に数回行うと良いでしょう

また、アイコンタクトの練習は愛犬にとって常に楽しい体験でなければなりません。もし愛犬がストレスや不安を示すしぐさを見せるようであれば、そのセッションはすぐに切り上げて、愛犬の喜ぶような遊びに誘って気分を転換させるようにしましょう。しばらく遊んでから再度トライするとストレスや不安を示さずにできる場合があります。依然としてストレスや不安の仕草が見られる場合はトレーニングの方法を見直し、リラックスできる環境を整えましょう。

まとめ
アイコンタクトは、愛犬とのコミュニケーションやしつけにおいて基本的でありながらとても重要なスキルです。愛情を持って焦らずにトレーニングを進めることで、愛犬との信頼関係を一層深めることができます。

また、当院では動物行動学を専門とする専属の獣医師とドッグトレーナーによるチームトレーニングを提供しております。飼い主様や愛犬がより暮らしやすくなるための『日常マナー』から、深刻な問題行動の解決まで、 飼い主様のご要望に合わせたプランをご提案し、チームで真摯に対応させていただきます。

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